「香りの三原色」嗅ぐ順番は?


7月22日にオープンするパヴィリオン制作に向け、急ピッチで準備を進めています。まだ5月なのに? そうなんです。これだけ大きなプロジェクトをやるにはそれなりの時間が必要なのです。

「3つの香りを空間に配置する」やることはきわめてシンプルなのですが、その体験をどう作り、どんな意味を持たせるか。いろいろやりようがあります。なので、迷い、実験しながらひとつひとつの解を導いていきます。いちばん楽しい時間です。



Question: 三種の匂いを A B C とし、トータルの香りを Zとしたとき、どの順番で嗅いでもらうように空間を設計するか? 二者択一問題。
(1) Z > A > B > C
(2) A > B > C > Z





実際は空間に配置してみないと何ともいえないものです。でも、昨年制作したシャネル5番の作品 OLFACTOSCAPE - deconstructing Chanel No. 5 - で、疑似テスト。以下の順番で嗅ぎました。

  1. シャネル5番のコンポジション
  2. ベルガモット
  3. ローズ
  4. ベティバー
  5. バニリン
  6. ムスク
  7. アルデハイド
  8. イランイラン


そしてまた逆に嗅いでいきました。

  1. イランイラン
  2. アルデハイド
  3. ムスク
  4. バニリン
  5. ベティバー
  6. ローズ 
  7. ベルガモット
  8. シャネル5番のコンポジション


前者より後者の方が、シャネル5番のトータルの匂いがわかりづらかった。後者のシャネル5番は、なんというか、アルデハイドの匂いしかしない劣化した香水な感じ。

なぜか? 私なりの推測だけど、前者は鼻にいったん全スペクトラムを学習させてあるので、個別の匂いも嗅ぎ分けやすい。けど後者は単独の匂いを嗅いだときにどうしても一生懸命嗅いでしまうため、それぞれに鼻が慣れてしまって、マスクされてしまうのかもしれない。なので結果的に最後には強いアルデハイド臭しか嗅げないのかも。

つまり、正解はというと:

(1)  Z > A > B > C

















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