松栄堂+Lisn 訪問

この前、老舗の香舗 松栄堂 を訪問する貴重な機会を得ました。そのおすそわけをここに少し。

社長であられる畑高正氏はそのエッセイ集「薫薫語録」「香り…メディア?」 という項で、

「香り(匂い)という存在はひとつのメディアである」

とおっしゃっている方です。

私の仕事の根底にある考え方と共通してます。
おのずと、話が弾みます。

日本の伝統である香の世界の方がこうして、かなり分野の違う、しかも独創的ではあるが慣例的ではない私の仕事にこうして共感して下さる。やはりその世界のトップの方は、視野が違います。

「むかしの暮らしは電気が無かったから、暗闇の時間が長かった。つまり視覚以外の感覚器官をもっと使っていたのではないしょうか。」

とのお言葉も、ひとつのインスピレーションを与えてくださりました。これからどう調理しようかな・・・。

そんな仕合わせな歓談の時を過ごした後、線香の製造工程も見学させていただきました。


松栄堂のお香の数々。カラフルで楽しいです。


印香の数々。形がいろいろで、かわいいですね。らくがんみたい。


匂い袋の数々。まさに、伝統に息づく美意識が表われています。


祈祷用の線香。長いです。


和紙の繭玉の中に香が入っていて、ゆっくりじっくりと香りがディフューズする仕組みです。つまり、和式ルーム・ディフューザー。和紙の特徴を知り尽くした日本人ならではの伝統です。


こちらも同じ仕組み。竹の筒の中に香が入っています。お客さんが店頭で香りのサンプルを嗅ぐためのものです。こういったスーパー・アナログなインターフェースは、作品展示を考える上でとても参考になります。

こんどはところ変わって、Lisnという松栄堂系列のモダンなお香屋さんへ。






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目に良し、鼻に良し、耳に良し、手触り良し、なインセンス・ショップです。
五感の融合を目指している、新しいタイプのお香屋さんですね。

伝統は、伝統として受け継がれることに意義がある一方で、作り替えられるためにもそこにあるのでしょう。

んー、ぜひオランダにこんなお店が欲しい!

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