2015/03/30

嗅覚のための神経衰弱 展示中

嗅覚のための神経衰弱 展示中
4月末まで。

オランダ・ロッテルダムRAMギャラリーにて。


2015/03/25

嗅覚のアート展 展示ストーリー(2)



最近の嗅覚アートシーンは、私を一人前の作家として扱ってくれ、

しかもその世界のリーダーのひとりとして扱ってくれ、

リスペクトしてくれるようになりました。

(欧州に限りますね。日本にはまだない領域なので ^^;)



今では多くの人が、私にいろいろオファーしててくれ、ありがたいことに、

世界中から「何かできることがあったら言ってよ」といったメールが舞い込んできます。

例えば香料が必要だったら、香料を喜んで提供してくれるフランス人やイギリス人の友人(香料会社の社長)がいます。

今回も展示会場で、最終香料を決定してすぐにフランスの友人に「急ぎで頼みたいことがあるのだけど」と打診すると、

数時間後には「住所を送ってくれ。あと数十分で集荷がくるから」との連絡!!!

数日後には、香料が届いてました。

こういう人には、請求書を何度頼んでも、送ってくれません・・・泣。

どんだけ私は仕合わせもんなんでしょう。



今回も、私が南ドイツで展示をすることをネットで見た私のフォロワーの方が(まだお会いしたこともないのに)、

「近くを案内しますよ」

と申し出てくれたので、甘えて観光をしてきました 笑

しかも私達の専属ドライバーまでしてくれた。



去年も、シンガポールのある婦人が

私に香水の調合を頼みたいと言い出し、

「でもわたし、材料を全くもってないんです」

というと、「何が必要なの? リスト送って」という。

100種以上の香料のリストを送ると、

数週間後には私のもとに届いていました・・・

もちろん請求書は届きません。

少なく見積もっても、数十万の価値はあると思います。



気づいたらこうなっていたわけですが、

私にいったい何が起きているのでしょうか?…笑 わかりません。

私にできるのはただ、

奉仕することだけ。

夢を託してくれた分、期待に応える。いい作品を作る。

できる限り、その人たちに会いに行き、直接御礼をする。お世話になった人への恩は、忘れない。

それだけです。



世の中、特に日本には、

向こうからくる好意をいただくことができない人が意外に多い事に気づきました。

確かに、意外に難しいのです。

「この人には何か下心があるんではなかろうか?」と疑ってしまったり、

「お返しどうしよう」とプレッシャーに感じてしまったり、

そんなのどうせお恵みなんでしょ、自分を見下さないでよ」とエゴを盾にしてしまったり、

そんな自分にはもったいなすぎる」と必要以上に卑下したり。

日本独特の遠慮の美学も、邪魔したりします。



好意を堂々といただくには勇気が要ります。

借りを作るわけですから。

もちろん好意の動機を見極める目は必要ですが、

私にはただ単に「私を助けたい」という思いで寄せてくれる好意が多いのです。



好意を受けることは、へり下ることでもなく、へつらうことでもありません。

私はその期待をじぶんのできることで返すため、

ただただ一生懸命仕事し、いい作品を作って、

感謝するだけです。

そうすれば、次に必ず繋がります。

簡単にいうと、「謙虚」に「努力」する、ということですね。

私は少なくともそうやって、周囲の夢と期待を繋いで、

嗅覚アート界でのキャリアをひとつひとつ築きあげてきました。

いきなり有名なアーティストになったわけではありません。



・・・と今日は、いくら請求書を送ってと頼んでも送ってくれない人たちを想いながら

ありがとうの気持ちで書きました。

嗅覚のアート展 展示の裏話(1)



ドイツにて、「嗅覚アート」の展覧会があり、作家として招待され、展示をしてきました。

私が発表したのは「嗅覚のための迷路 ver. 2」。東京でやったもののリメイク版で、ほんものの迷路を、木の板で、4.5m x 4.5m の空間に作ったのでした。

その空間では、犬のように嗅ぎ回ります。最初に嗅いだ匂いを辿り続けることができれば無事にゴールに着くのですが、間違えたら、文字通り「迷宮入り」(笑)

オープニングではドイツ人、おおいに迷っていました!笑

木の匂いをふんだんに使いました。セダー、乳香、パチュリ、シスタス。木の板と調和すると考えたからです。セダーを辿れば、ゴールに着きます。

「森の中で迷う getting lost in a forestという感覚を起こさせる」と、このセレクトは好評でした。


ミュージアムは南ドイツの片田舎にあり、かつての富豪のヴィラでした。

末裔がいなくなり、財団の形をとってアートミュージアムとして公開されています。

そこのディレクターであるステファニーが、特筆すべき人物でした。

さっぱりとした笑顔のハンサムな女性です。

喜んでひとり何役もこなします。ディレクターであり、キュレータであり、大工であり、掃除のおばさんであり、運転手であり。

「わたしは、アーティストのためにここにいるの。アーティストが世界中から来てくれて、展示してくれる。これ以上にhappyなこと、ないわ。」

と、ランチもディナーもとらないで、黙々と設置を続けます・・・

常識で言えば、13作品もある展覧会なので、設置スタッフという名目の手下が5人くらいいてもおかしくないのです。

それを、ディレクター自ら、つなぎを着て、大工仕事をするのです。

かつ、ディレクターとしてアーティストのケアは最大限に提供します。

この人にはエゴというものがないのでしょうか。

ストレスというものがないのでしょうか。

怒りというものはないのでしょうか。

見習うべき見事な仕事ぶりでした。生きた仏様を見たというか・・・。

自然と「この人を助けたい」と思うのです。人が集まるのです。

わたしもこんな女性になりたいと、

新月の日。肝に命じました。


海外でのグループ展は、日本人作家(とくに女性)にとってはハードなもんです。

じぶんひとりだけならいいけど、同じ時期に集中して設置する作家が他に何人もいます。

なにしろじぶんではなにもできないもので、

そのハコ専属のアシスタントの取り合いです。

自分の権利を主張しあって、勝たないといけないのです。

ときにはコンセントひとつ借りるのに、何時間も待たなければいけません。

そんなとき、どんなに厚かましくても図々しくてもいいから、アシスタントを囲う技が必要となります。

東洋の女性は、女性の武器を使えば簡単ですが、それは使わない主義です。

日本人は、西洋人アーティストにはエゴの主張では完全に負けてしまいます  ^^;

わたしももともと、「それなら、1日でも2日でも待つか」というタイプの我慢人間です。



今回の設置は、おどろくほど楽でした。

着いたときにはすべての工事が終わっており、

私が壁に香りをスプレーするだけで良いように仕上がっていたんです!

ドイツってすごい。いや、ステファニーすごい。

その後も、細かい展示テキストを貼ったりという作業が残っていたのですが、

私がリマインダーをしようと思いきや、私の顔を見て

「あれやっとくわね。忘れてないわよ!」

とウィンクして、颯爽と去って行くのです。




「嗅覚のための迷路」記事掲載。ドイツの新聞

ドイツのとある新聞に「嗅覚のための迷路」についての記事が掲載されました。かかなり有名な国民紙らしく、新聞名も聞いたんですけど忘れました(笑)

2015/03/24

においあそび - WS @ 新宿伊勢丹Cocoiku生涯学習プログラム


たしか今日が〆切だったような・・・! WS情報@東京です。
[テクノクラートタイプ]
においあそび
講師: 山口美帆(やまぐち・みほ)+MAKI UEDA
対象年齢:育児期の親、5〜6歳、7〜9歳、10〜12歳
場所: 伊勢丹会館5F class 3
価格(税込): 64,800円
プログラム詳細コメント:
シャンプー、フレーバー、アロマテラピーなど、あらゆるかたちで私たちのまわりには匂い・香りが存在します。一方で、現代の都市生活は、あるがままの匂いを意図的に排除する「消臭」の傾向があります。豊かな香りにあふれた森や海からも遠く、こどもの頃に触れるべき香りの種類が定型化し、様々な香りに触れる機会も減りました。
嗅覚の記憶のデータベースは、幼少期から青年期にかけて活発に構築されます。その後、認識能力や分析能力が発達することはありますが、嗅ぐ
幼少のころから意識的に匂いを嗅ぐことは、きっと、その後よりよい人生を歩む助けとなるはずです。この世界にはたくさんのにおいに恵まれていることを発見するからです。この講座では、香りを素材のレベルから扱い、わたしたちが何気なく使っている嗅覚への理解を深めます。
前半のテーマは「香りあそび」です。実際に天然香料や人工香料を用い、石鹸や入浴剤を作りながら、楽しく香りそのものへの理解を深めます。
後半のテーマは「嗅覚あそび」です。意外に知らなかった嗅覚のしくみを学びながら、嗅覚の感性を高めます。

能力は20歳ごろをピークに衰えると言われます。
講師プロフィール:
山口美帆: 有)桜ファーイースト代表。こどものころから香りのする植物に興味があり、抽出一歩手前のような実験を繰り返す。さらに、香料や香水に興味をもち、天然香料の輸入を始める。香りは楽しい!香りを求めて旅行にいくのが趣味。
MAKI UEDA: 嗅覚のアーティスト。現代アート・シーンにおいて世界的に流行中の「嗅覚アート」における第一人者として世界的に活躍している。出産をきっかけに始めた作品制作のほか、オランダ王立美術学校などにて教鞭も取る。2000年よりオランダ在住。現在は、日本(石垣島)に拠点を置く。


備考(注意事項):
講座内容は講師のスケジュールによって前後することがありますので、ご了承ください。 第1回から第5回は山口、第6回から第10回はMAKIが担当の予定です。 ※プログラム時に天然香料を使用する為、材料費として、別途4,320円頂戴いたします。

嗅覚のための迷路 ver 2 のオープニング


嗅覚のための迷路 ver 2 のオープニングも終わり、ホッとしたひと時です。
ドイツ人も迷うと笑顔がほころび、可愛い。
木の香りに満ちた空間。
やはり私は自ずと日本文化を背負っており
他の西洋人の作品と比べると、日本的で、ミニマリスティック。
匂いで自己表現とか、マニフェストとか、それが一般的な展示の中で、
私は逆に匂いでの主張をなるべく避けるようにしてます。
観客に、限りない解釈の自由を与えたい。
嗅覚は主観そのものなのだから。
私の作品の中でただ、没入感、トランス状態を楽しんで欲しい。
その一心で作りました。
とにかく西洋人の作るものの中で異質であり、
たぶん13作品の中で、いちばん金のかかった作品だったはず(笑)妥協しなかったから。
それでもオーガナイザーは、嫌な顔しなかった。この作品、とても素晴らしい、と言ってくれた。
大きな舞台で、周囲の期待に応えることができ、夢のようです。
次への確かな手応えを掴みました。
もうパンとハムは飽きたけど、
数日間一緒に仕事した仲間たちと離れるのは淋しく悲しい。。。
匂いトークばかりの数日間。どれだけインスピレーションもらったかしら。
日本からも応援して見守ってくださった方たち、
どうもありがとう。月並みですが、皆さんのおかげでここにいます。xxx



フランスのiPad向けアート・マガジンにて特集されています

http://artshebdomedias.com/

私はまったくフランス語がわからないので、何がなんだかさっぱりわかりませんが・・・


2015/03/19

2015/03/18

嗅覚のための神経衰弱

嗅覚のための神経衰弱

ロッテルダムにて、展示中です。
古い古い作品を掘り起こしました。
匂いでカードをマッチングします。
まるで香道のように、
木や樹脂の香りを嗅ぎ当てるゲームです。

使用香料:
Cedarwood
Sandalwood
Styrax
Labdanum




RAM Gallery

http://www.ramfoundation.nl

van Vollenhovenstraat 14
3016 BH Rotterdam
The Netherlands

Open: Fri, Sat, Sun 13.00 - 18.00


2015/03/06

みかんプロジェクト

和歌山みかん8種の詰め合わせが届きました。

和歌山の原農園では、およそ30種のみかんを栽培しているとか。

「それぞれの香りや味が違うんですよ。香りで何かできないかな。」と大学時代の友人。

「ちょろっと、抽出してみよっか?」とわたし。

そんな感じのノリで、やりました、8種みかんの香りの抽出。

みかんの精油抽出方法は、様々な方法がありますが、
産業用のプレス機とか持ってないんですね(小さいの持ってたんだけど、壊れてて)

なので、台所的に試行錯誤。

けっこう原始的な方法に辿り着きました。

プロセスしてから約10日間経過。

まさに、1種1種の香りが違うことがわかります。

今週末に、原農園関連の講義が 伊勢丹Cocoiku であるとのことでしたので、

何かの参考になれば、と、途中経過のものを友人に発送しました。



あ、みかん、どれもこれも美味しかったです。。。











〜私の香りmemoです〜

黄金柑
皮:レモングラスのような香り
実:蜂蜜レモン

三宝柑
皮:さわやか

春峰
皮:ネロリっぽい

レモン:青々しい

ポンカン:

甘夏:

伊予かん:

はっさく:青い


2015/03/04

3月〜5月、欧州4カ国にて4つの新作を発表します。


3月〜5月、欧州にて4つの展示が予定されています。すべて新作発表の予定。
6月上旬、シンガポールにてWS&展示が予定されています。
4月〜6月、東京にて「香りと嗅覚」に関する講義を持ちます。
私の分身が2人くらい欲しいです・・・。


(1)オランダ・ロッテルダム
オープニング:March 15th
(展示は 26/04/2015 まで)
場所:RAM Foundation, Rotterdam, The Netherlands

Title: 嗅覚の神経衰弱
Year: 2010
Memory, also known as Concentration is a card game in which all of the cards are laid face down on a surface and two cards are flipped face up over each turn. The object of the game is to turn over pairs of matching cards. These cards have no images but scents.



(2)ドイツ・ミュンヘン近郊
オープニング:March 22nd (展覧会は 26/07/2015 まで)
展覧会名:There is something in the air
場所:Museum Villa Rot, Germany (near Munchen)

Title: 嗅覚のための迷路 vol. 2 (premier)
Year: 2015
http://scent-lab.blogspot.jp/2015/01/olfactory-labyrinth-ver2.html


- move, smell, and sense -

It's a small, yet life-size maze designed for playful olfactory exploration that challenges your sense of smell.  If you follow the right scent, you will manage to get out of the space.  Otherwise you will be stuck in the maze.
In recent years my key words have been "movement" and "olfactory experience". I've been researching omni-directional olfactory experiences within a certain space. The sensations created by actively walking around and finding smells are very different from just passively receiving smells.

I’ve wanted to make such life-size "olfactory labyrinth" for years. But I first experimented at low cost, resulting in this first prototype in 2013: an installation with bottles hanging from the ceiling in a grid. Each bottle contains fragrant oil. The candle rope by which it hangs from the ceiling gradually absorbs the oil and spreads the scent around the space.


The main focus is the olfactory experience rather than the scent itself. I think that smell is, in itself, neutral. It's the audience who attribute meanings such as "I dislike this smell" or "This is the smell I knew from my grandma's house" after processing olfactory information in their brains. Such meanings to smells are given from personal experiences and histories. This is why I chose not to give meanings to smells in this project.

I rather want to be open to surprising olfactory experiences that we normally wouldn’t encounter in daily life. Omni-directional olfactory experience has been forgotten in our modern life, so reviving it is especially interesting. You can become convinced that human beings, much like dogs, have the ability to sniff around and navigate themselves using their sense of smell.

I try to exclude visual and audible aspects in my works as much as possible. I let the work explain itself rather than doing so in words. Instead smells and space communicate with your physical sensations, allowing you to project images and play sounds in the mind. I believe that smell possesses such power.

(3) ベルギー・ポーペリンゲ
オープニング:April 30th 
 (展覧会は 31/08/2015まで)
展覧会名: The Smell of War 
場所:De Lovie, Poperinge, Belgium

An exhibition to remember 100 years first gas attacks World War 1 

 The Smell of War will shed light on the first gas attacks in World War 1 and deals with the fascinating phenomenon of odour and thereby goes beyond the usual museum based form of experiencing art. International artists from the present day demonstrate that scent can really be context and /or concept of the work. Scents evoke memories and so also emotions and associations, but let the beholder also re-think and reflect about the context of the work. The exhibition begins with a historical representation of the first gas attacks. The main focus of the exhibition however lies on the olfactory artworks about gas attacks and chemical wars, as well as on the not-smelling aspect by protection of gas masks. So we also show works that smell of nothing at all and in which the odour is only conjured up by the visitor’s imagination, or translated as an odour through the image. The exhibition will be supplemented by a publication as well as a varied supporting program, consisting of guided tours, talks and workshops.

(4) フランス・パリ 5月 日仏会館関連の嗅覚アートシンポジウム等

(5) 6月上旬 シンガポール Design Singapore WS&展示

(6) 4〜6月 伊勢丹 Cocoiku にて、「香りと嗅覚」に関する生涯学習授業。毎週木曜日。一般(とくに育児期の親と子ども)向け。



香り"X"の分解と再構築 / DECONSTRUCTING AND CONSTRUCTING THE SMELL "X"

香り"X"の分解と再構築  DECONSTRUCTING AND CONSTRUCTING THE SMELL  "X" いくつかの香りをバランスよく組み合わせることを「調香」といいますが、この空間で何をやっているかというと、「...