mariage!

東京大学の東原先生の研究室にお邪魔し、ヘッドスペース・ガスクロマトグラフィを見せていただきました。空気中の香気成分を揮発速度の早いものから遅いものまで時間軸(今回は15分程度)で分解し、リアルタイムにその香気成分を噴射してくれる機械です。

この白ワインをかけます。







出て来た匂いはメモしてないのですが、記憶ではこんな感じでした。
  • セメダイン臭
  • アップル臭
  • ゴ ム臭
  • コーヒー(モカ)臭
  • 魚料理をした後の臭み
  • 足のツメ臭
  • オレンジ臭
こ のリストの字面だけ眺めると、およそワインのような美味しい飲み物であるとは想像できませんよね。



この試薬瓶の中に、長さ1cmほどのシャーペンの芯のような素材をしばらく突っ込んでおいて、匂いを吸着させ、それを機械にかけるのだとか。そんな小さな棒から、あんなにたくさんの匂いが出て来るなんて・・・魔法のようでした。

研究室には当然のようにマウスがいて、カエルもいます。おもしろかったのは、タバコの芽も実験に使ってるということ。植物も匂いを嗅ぎ分けるのだとか。考えてみれば、二酸化炭素を養分としている彼らだから、それも当然か。

その後、匂い関係のエキスパート4人で、目黒にある CEROというワイン・バーで会食。
http://www.to-vi.jp/cero/
ワイン好きな東原先生の一押しのお店です。

ワインとそれに合うお料理を少しずつ、という、Wine & Dine 形式でいただきました。


いちじくのリコッタ&豆腐和え。クリームなのにあっさりしていて、フルーティなワインにもピッタリ。


すずき(だったかな?)とピーチと香草のレモンの塩漬け和え。秀逸な一品。


鮎とスイカの冷凍ガスパッチョ添え。ひんやりとした川とか海で水遊びしているような、そんな情景を思わず想起させるような一品。料理で情景が浮かぶという体験はなかなかないもの。鮎とスイカなんて、一見ミスマッチなお料理を考え出したお店の方のお話:
「鮎を開封すると、まさにスイカの匂いがしたんです。キッチンの端の方まで飛んで来るほど。噂には聞いていたけど、鮎がほんとうにスイカの匂いがするとは・・・」


こちらはベリーAという日本オリジナルな葡萄で作られたワイン2種と、味噌漬けトマト、葉ショウガの豚肉巻き、そしてドライトマト。味噌と赤ワインは折り合わない・・・とこれまでずっと思っていたのですが、その観念をみごとに覆してくれました。


左は余市の赤ワイン。右は小淵沢の岡本ファームの赤ワイン。右は「岡本臭」「ツガネ臭」ともよばれる香気成分が有名だとか。確かに・・・口に含むと、まるで「沈香」でした。カビにも似た香り。これは湿気のある土地の人間にしか味わえない深みかと。


余市のワインには豚のミント和え、ツグミにはシナモン和え。どちらもマリアージュ!

お店のスタッフの方は、ホールも厨房もすべてみな、元気な若い女性達でした。女性一色というと、ともすればママ色が出がちですが、ここは違います。日本の将来も、楽しみですね。

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