2009/02/26

New York Times Magazine

New York Times マガジンに、匂いの展覧会 If there ever was のレビューが載っています。

http://www.nytimes.com/indexes/2009/02/22/style/t/index.html#pagewanted=3&pageName=22burr


この著者 チャンドラー・バーは「匂いの帝王」という有名な本を書いた方なので、ご存知な方も多いのでは。

2009/02/16

お茶の焙煎香 吸着実験

以前山口に住んでいたのですが、商店街を歩いてると必ず匂ってくるあのお茶を煎る香り。お茶屋さんの方向についふらふらと足が向いてしまったこともありました。

お茶屋さんの匂いは日本の商店街には欠かせないアイテムともいえます。秩父の商店街にあった焙煎マシンについても以前書きました。(お茶屋さんのアロマ・ディフューザー

そこで。この焙煎香をぜひとも抽出したい、と思い立ち・・・



いざ、匂い吸着実験。お茶葉を煎り、蓋に塗った油脂に吸着させていきます。立ち上がりは桜の葉のような甘酸っぱい香りさえします。



少しずつ透明の油脂に匂いが吸着していきます。が、温度の調節が難しいです。油脂の溶解点以下に抑えなければいけない。



ローストすること約30分。焙じ茶ができあがりました。



この半透明の油脂にきちんと焙煎香がついていました。かなり自然に近い香りです。

昔のヨーロッパでパフュームといえば、いわゆるスプレー形式のアルコール系香水だけでなく、このような油脂状、いわゆる、pomade (ポマード)といわれる香水も指しました。わりと原始的な塗り香水です。

お茶の焙煎香をカラダに塗ってどうすんの? なんてつっこまないで下さい。これも、5月のライデン美術館での展示に向けての準備なのですから・・・。

2009/02/09

煉香の試作 (1)

古く平安時代よりわれわれ日本人に親しまれている香に、薫物(たきもの)があります。粉末状の香料をコネコネ練って固めるという、いたってシンプルな方法で作られるお香です。「煉香」「印香」とも呼ばれます。作り方がシンプルな一方で、複数の香木や樹脂を使うので、多様で複雑な香色を創り出すことができます。

源氏物語には「薫物合わせ」という遊びさえ出現します。源氏のあまたの女性たちが調香の腕を競い合うのです。醜くなりがちな女性達の争いさえも、こうもエレガントな勝負に昇華させる当時の感性、まったく脱帽してしまいますね。

いつか老舗の京都鳩居堂さんで名香「荷葉」を香らせていただいたことがあります。爽やかでありながら濃厚な花の匂い。源氏物語に「懐かしくホッとする女性像」として登場する夏の御方、花散里の君のイメージとして千年来伝承されて来た香りです。

「薫集類抄」という12世紀頃に記された文献を参考にすると、あるていどはこれらの香りを再現することができそうです。この実験はまた今度の機会に譲るとしましょう。

今回の試作にあたっては、麻布香雅堂さんの「煉香手作りセット」を利用しました。レシピも説明書に載っている通り。私が文献を調べた所、「荷葉」などの古典的なレシピよりはかなり沈香の割合が少なめです。



まずは粉をそれぞれ計り、ほどよく混ぜて、



付属の蜜を混ぜます。



丸めるとまるで正露丸みたいです。大きさも正露丸ていどにしてみました。



これを古典的なレシピでは「半年ほど寝かして熟成させる」そうです。現代ではそんな悠長なことなかなかできませんよね。



というわけで待ちきれず、焚いたのは2日後。

最初に立ち上るのは清々しい竜脳の香り。私の脳はピピピっと、「龍角散」と反応しました。嗅覚と脳の反射関係を実感する瞬間です。

しばし置くと丁字や白檀の甘く扇情的な匂い、その後は深くまどろむような落ち葉の香りが残ります。たぶん沈香や薫陸などの樹脂成分のせいですね。

火加減が難しいです。火が均等にあたるように、薄いコイン状にした方が良かったかもしれません。

こんどは、実際に源氏物語に出て来る「荷葉」「梅花」などのレシピを試してみようと思ってます。夏に予定されているライデン美術館での展示のための実験です。またのご報告をお楽しみに。

香り"X"の分解と再構築 / DECONSTRUCTING AND CONSTRUCTING THE SMELL "X"

香り"X"の分解と再構築  DECONSTRUCTING AND CONSTRUCTING THE SMELL  "X" いくつかの香りをバランスよく組み合わせることを「調香」といいますが、この空間で何をやっているかというと、「...