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コドモ匂いワークショップ Painting with the Nose

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クリスチーナ・アンダーセン & マキ・ウエダによるワークショップ
Babelut Festival 2008, Neerpelt Belgium

1歳半〜3歳までの子どもたちのために組まれた、30分のワークショップです。前半はスパイスやハーブを使って「匂う絵具」を作り、後半ではそれで絵を描きます。

まずはカルダモン・ラベンダー・アニシードなどのスパイスを乳鉢で粉状に轢くことから始まります。轢くにつれ、部屋には美味しそうな匂いが充満していきます。



「あれ? 外は緑だけど中には黒い種が入ってるよ」
「どんな匂いがする? お菓子の匂いじゃない?」





粉の準備ができたら、特製の絵具ベースを加えます。絵具ベースは牛乳、コーンスターチ、クエン酸などでできてます。 (レシピ詳細)







絵を描く準備ができました。





事前に作っておいた16種類の匂いの絵の具も総動員です。

* lavender ラベンダー
* green cardamon グリーン・カルダモン
* green tea Sencha 緑茶(煎茶)
* coriander seed コリアンダー
* vanilla バニラ
* juniper berry ジュニパー
* cinnamon シナモン
* star anise 八角
* kentjoer (?)インドネシア/中華料理に使われる根
* kaffir lime leaves ライム・リーブ
* violets 3 colors バイオレット3色
* aniseed アニシード
* fennel seed フェンネル
* clove buds クローブ
* nutmeg ナツメグ
* ginger ジンジャー
* calendula flower キンセンカ



















作品はそれぞれお家にに持って帰ってもらいます。
匂いの記憶も一緒にお持ち帰りしていただけたでしょうか・・・。









たいていの子は、いろんな匂いの絵具を乗せたがったのですが、この男の子だけは頑にジンジャーの絵具に固執していました。よほど匂いが好きだったのでしょう・・・。





匂う絵の具の作り方(レシピ)

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コドモ匂いワークショップ Nose Painting 用
クリスチーナ・アンダーセン & マキ・ウエダによるオリジナル・レシピ

よく料理に使うハーブやスパイスなどの匂いを使って、手軽に「匂う絵の具」を作ってみましょう。絵の具ができたら、すぐにそれで絵を描いてもらいましょう。夕食の支度をしてる横で子どもと一緒に作れます。万が一子どもが口にしてしまうことも考えて、材料は全て台所で使われているものを使います。

ふつう料理には使わないような意外な匂いのコンビネーションを考えるのも楽しいです。ラベンダーとペッパー・・・、緑茶とシナモン・・・ 子どもは既成概念を気にしないので、自由な組み合わせを楽しんでくれるでしょう。親子で新たな「発見」をしてください。

描いた絵はそのままでしばらく匂い続けますし、密封しておけばもっと長持ちします。目を瞑って絵の上の匂いを辿ってみてください。


[ベースの作り方]

100mlの絵の具 12種類分

(1) 1200ml 牛乳(脂肪分の高いもの)
(2) コーン・スターチ 20g  40ml の冷たい牛乳に溶かしておく
(3) クエン酸 小さじ4 (酸化防止のため。レモン汁で代用可。)


(1)をゆっくり温めます。
その間に(2)を大きなボウルに用意しておき、(1)が沸騰する前に(2)に流し込みます。
よく混ぜ、また鍋に戻して温めます。
こんどはよくかき混ぜながら。
ポタージュのようなテキスチャーになったら、火を止めます。
(3)を少しずつ加えて混ぜます。
(冷めたとき、カスタードのようなテキスチャーになります。)

小瓶12個に100mlずつ分けます。



[スパイスを加える]

粉状に轢いたスパイスやハーブを、大さじ1〜2加えます。
もし水分が足りなくボサボサになった場合は、牛乳を足してください。



[知っておきたいこと]

*轢きたてのフレッシュなスパイスがいちばん香ります。

*轢く前に厚手のフライパンで弱火で軽く煎ると、もっと匂いの立ち上がりが良くなります。

*スパイスを轢くのに擂鉢や乳鉢を使ってもいいですが、コーヒーミルも便利です。

*色彩の強いハーブ、例えばラベンダー/緑茶/キンセンカなどには、焼きミョウバンを使うといいです。ほんのひとつまみ入れてみてください。焼きミョウバンを使わないと全ての絵の具は1日も経てば茶色になってしまいます。なので元々が茶色でないものに加えるといいです。


(左:焼…

ありそうでなさそうな、なさそうでありそうな匂い

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先々週は「旧東独秘密警察が集めた人民の匂い」のカタログ用を作り上げ、こんどはNYとイギリスでの展覧会用の匂い作りです。匂いカートリッジなるものにこの香水を入れて、展示するのだそうです。

匂いのパレット作り、抽出作業がようやく終わりました。









旧東ドイツの秘密警察 Stasi が集めた人民の匂いがテーマであることは以前にも書きました。Stasiはナチス時代のゲシュタポのように、東西冷戦時代に東西双方に恐れられていたといいます。人を呼び出しては椅子に座らせ、人の匂いの染み付いた生地を瓶に入れて保存し、有事の時にはこの「人民の匂いコレクション」からサンプルを選んで犬に嗅がせ、足跡を辿らせるのです。

この同じ手法が2007年5月にドイツでサミットが開かれた際に使われ、テロ容疑のかけられた人々の匂いをドイツ警察が事前に収集したということで、物議を醸しました。いったいこれを個人情報として見なしていいのだろうかとか、プライバシーの侵害なのではないか、等々。

私はこのような「Stasiにスパイ容疑をかけられたあるドイツ女性」を想定して創香しています。

さらにちょっと踏み込んで、私の目指すところを説明してみます。

匂いや香りを絵画のように、「写実主義」と「抽象主義」とふたつの大まかな分け方で考えたとします。

「写実主義」は、実際の匂いをそのまま写し取り再現することといえます。家の匂いでも人の匂いでも、現代の分析機器を使えばけっこう分析でき、実際の匂いに限りなく近く再現することは可能です。

「抽象主義」はたとえば「ある春の朝、海岸を裸足で歩いている」などのテーマを、創香者が独自に解釈し、エンコーディングしたもの、とも言えるかもしれません。私たちが慣れ親しんでるいわゆる香水は、ほとんどこの部類に入ると思います。

私が目指しているのは、写実主義でも抽象主義でもない、その中間なんです。簡単に言うと、実際にありそうでなさそうな、なさそうでありそうな「ある白人女性」の匂い。(この展覧会のタイトルもそういえば、 if there ever was でした。)

写実主義に寄り過ぎるとどうしてもナマナマしすぎて「あ、やっぱりね」で終わるものになってしまうだろう。抽象主義に寄り過ぎても嘘くさくなりそう。生な人間の匂いでありつつ、イマジネーションへの余白は残しておきたい・・・。

そんなところで、お楽しみに。

布巾で作ったエプロン

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どことなくキモノのようなエプロンです。
これもワークショップ用。