2008/12/29

お正月はぜひお屠蘇で

年末年始を日本で快適に過ごしています。お正月は海外居住者にとって日本を堪能する絶好のチャンスなのですよ。

さて、お屠蘇はお正月に欠かせないものですが、お屠蘇をつくるためのハーブミックスを屠蘇散というそうですね。漢方っぽいオリエンタルな香りがします。あまりこれまでとくに注意して原材料まで見てみませんでしたが、こんなにたくさんのハーブが・・・。手元にある屠蘇散を一例にとると、

最近はスーパーでも手軽に買える屠蘇散。清酒に味醂または砂糖を加え、正月前夜から6〜7時間浸しておきます。

みなさま、良いお年を!

2008/12/12

味わう香水workshop @ Tokyo のお知らせ

*プレス・リリース(クリックで拡大)




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*以下 プレス・リリースのテキストバージョン

PRESS RELEASE

味わう香水WORKSHOP
Edible Perfume Workshop

匂いの抽出、そして調香。
化学と調理、そして味覚と嗅覚のハーモニー。



講師:上田麻希
主催:香りある生活プロジェクト

素材からアロマを抽出し、それをもとに ”味わう香水” を調香するという、内容盛りだくさんの体験型ワークショップです。現在オランダでアーティスト/パフューマーとして活躍中の上田麻希さんが講師を務めます。
「ふたつの食材において共通するフレーバー分子が存在するとき、その組み合わせは美味しいものと感じられる。」この理論の発祥は、ヨーロッパで流行中のモレキュラー・ガストロノミー(分子調理法)。ワサビとチョコレートの組み合わせが意外にも美味しいのもその証だとか。フレーバー・ペアリングと呼ばれるこの手法にインスピレーションを受けた当ワークショップでは、ふたつの食材からフレーバーを抽出し、それらを調合して、新たなアロマを創り出します。
香水作りの素材となる自然香料はふつう、蒸留や溶剤抽出法などで素材から抽出されますが、このワークショップではこれらの化学的手法をキッチンに応用しました。このいわばミニ実験室にて、素材から匂いを抽出する簡単なプロセスを体験していただきます。抽出にはペアとなる2種類の素材を使い、できあがったふたつの香料をバランス良く調合することで、ディープでかつ斬新な匂いを創香していただきます。
匂いのカップルとしての”彼”と”彼女”の組み合わせを考えるのも楽しい作業です。例えば、ローズ&カマンベール、オイスター&しいたけ、アスパラガス&緑茶、ペッパー&オレンジ、りんご&刈りたての草。このような組み合わせはフレーバー・ペアリングのウェブサイト(http://www.foodpairing.be)にある無限な組み合わせから簡単に選べますが、ご自分で斬新な組み合わせを考案しても構いません。ワークショップで制作したフレーバー・オイルあるいはフレーバー・リキュールは、ご自宅の食卓にも応用いただけます。
味の80パーセントは匂いであるといわれるほど、嗅覚と味覚は互いに分ち難く結びついています。匂いと味の深みとハーモニー、そして嗅覚と味覚の相互作用を楽しみましょう。
当ワークショップは2008年11月にベルギー・ブリュッセルで初めて開催されました。日本での希少なこのチャンスをお見逃しなく。

主催 香りある生活プロジェクト
生活に香りをもちいる方法を学ぶ会。
多摩を中心に活動中。来年は多数講座を予定。
http://kaoripj.exblog.jp/
日時 2009年1月11日(日) 14:00〜17:00
場所 多摩市 関戸公民館 ワークショップルーム
東京都多摩市関戸4-72
  http://www.city.tama.lg.jp/shisetsu/004190.html
京王線 聖蹟桜ヶ丘駅より徒歩3分
聖蹟桜ヶ丘駅西口を出て、交番の方向に歩き
目の前のOPAのビル7階が関戸公民館
参加費 3000円(当日現金払)
持参 抽出の元となる素材2つ * 後述の注意書きをお読みください。
定員 先着15名様
申込先 氏名・電話番号・電子メールアドレスを明記の上で
香りある生活プロジェクト事務局 まで
info [at] aof-aroma.com
東京都八王子市鹿島4-1-108
042-670-7077
申込締切 2009年1月8日(木)

講師プロフィール
上田麻希(アーティスト/パフューマー)
幼少の頃にポプリの調合を趣味とした。1997年 慶応義塾大学環境情報学部卒業、1999年 同大学院修士課程修了。藤幡正樹教授のもとでメディア・アートを学び、卒業後はアーティストとして数々の作品を発表。2005年頃から本格的に匂いを用いた作品制作に取り組み始める。2000年文化庁在外研修員(オランダ)2007年ポーラ美術振興財団在外研修員(オランダ・ベルギー)2007年グラース・インスティテュート・オブ・パフューマリーにて調香師短期講習修了(フランス)。2007年より、アート & サイエンスの実験的研究所 FoAMにてアーティスト・イン・レジデンス(ベルギー)。現在はオランダを拠点に、ヨーロッパ各地で展示・ワークショップを展開中。
http://www.ueda.nl (ポートフォリオ)
http://witch-lab.blogspot.com (ブログ 魔女の実験室)

■参加される方は以下を必ずお読みください。

ワークショップは以下のように進行します。
  • step 1: 材料の下準備 - 切る・擦る・炒る・砕く(30分)
  • step 2: 匂いの抽出 (90分)
  • step 3: 創香 (30分)
  • step 4: テースティング(30分)
抽出の元となる材料は2つ、ご自分でご用意ください。
http://www.foodpairing.be/FoodPairable.aspx
http://khymos.org/pairings.php
上記ホームページ(英語)には化学的なデータをもとに考案された組み合わせが無限に載ってるので、是非参考にしてください。ご自分で好きな組み合わせを考案しても構いません。

注意点
  • 前述の通り参加者には2つの食材を準備していただきますが、他の必要備品は全て当方で準備します。
  • なるべく新鮮なものをご用意ください。
  • もとの素材に匂いがない場合、抽出しても中々良い結果が出ません。
  • できるなら質の良いオーガニックのものを。
  • 持参する量
    • 生の野菜、果物、生花:1カップ
    • 乾燥したもの、木、ハーブ、香辛料など:半カップ
  • 抽出には食用オイルかウォッカを使います。ウォッカを使ってフレーバー・リキュールを作りたい方であれば、フルーツやベリーのように天然の果糖が含まれている食材を用いた方が良い結果が出るようです。
  • 作業時間の短縮のため、材料を予め小さく細かくしておいて下さい。たとえば香辛料であれば乳鉢で粉状にしておき、チーズであれば専用器具で下ろしておいた方が良いでしょう。当方は最低限の調理器具(まな板と包丁など)は用意しておきますが、その他素材に応じて特殊な道具を必要とする場合は各自ご用意ください。野菜や果物であればみじん切りにするのにさほど時間もかからないので、ワークショップ会場で作業した方が鮮度が保てて良いでしょう。

ワークショップの内容に関するお問い合わせ先:
上田麻希 / witchlab [at] gmail.com
当日連絡先:090-7711-6005(上田)

2008/12/08

1/9(金)セミナー開催のお知らせ

お待たせいたしました。みなさんのご要望にお応えして、東京にて小さなセミナーをやることになりました! 席数に限りがありますので、お早めにお申し込みください。

主催者フレグランス・ジャーナル社のページ
以下抜粋


香りの図書館「香りトワ・エ・モア」臨時セミナー
「においとアート ─におい・メディア・アーティストの世界

  「香り」そのものを素材に使って文学的・芸術的なアートを構成していくという手法にはかなりびっくりさせられますが、斬新な観点としてとても興味が持たれ ます。ここまでの香り・匂いの幅の広がりもさることながら、そこに至るまでの考え方の経緯なども学びたいと思います。また人の極めて微妙な嗅覚(鼻)の能 力との関係などと合わせて考えてみましょう。ぜひご来聴ください。

                                香りの図書館館長 澁谷達明

日時 お申込み

2009年1/9(金)(受付:15:30〜) 16:00〜17:30

会場

香りの図書館/閲覧室(弊社隣接ビル8F)
東京都千代田区飯田橋1-5-8 アクサンビル8F TEL 03-3264-0126
(「飯田橋駅」徒歩8分、「九段下駅」徒歩5分)
アイコン 地図はこちらです
※受講者数により、やむを得ず会場を変更することがございますので予めご了承下さい。

受講料 4,000円(税込)
(香りの図書館 会員の方は、3,500円(税込))
お申込みフォーム、お客様コード(会員証に記載の4ケタ番号)を 必ず明記してください。
※こちらのセミナーは「当日払い」は受け付けておりませんので、ご注意下さい。
申込方法

お申し込みフォームまたは下記宛にTEL、FAX、または郵送でお申込み下さい。

FAXにてお申込みの方は、こちらのPDFをご利用下さい→ PDF PDFダウンロード


主催 フレグランスジャーナル社「香りの図書館」
TEL:03-3264-0126 FAX:03-3264-0190
お支払い方法

お振り込みは、当社から“受講証”と“請求書”がお手元に届いた後に、お手続きをお願いいたします。
※なお、ご入金されました後のご返金は、出来かねますのでご注意下さい。

○口座名
(有)フレグランスジャーナル社

○郵便振替:00150-6-169545

○取扱銀行:
三井住友銀行神田支店(普)0939671
みずほ銀行九段支店(普)506570
三菱東京UFJ銀行神保町支店(普)1245799

「においとアート─におい・メディア・アーティストの世界」

講師:上田麻希 先生 http://www.ueda.nl

講師写真  

香水やアロマテラピーなどの実用の面を超え、匂いはどのような可能性を持っているだろうか?この問いを出発点に私は、匂いを絵筆やキャンバスのよ うに用いて表現活動をしています。いわば鼻で鑑賞するアートです。特に私達が普段嗅ぐような、身近な生活の匂いに焦点を当て、料理や飲み物・素材・人・空 間などの匂いを古典的な方法で抽出し、香水化しています。記憶や感情を呼び起こし、文化や習慣を直接的に体験する媒体としての展示を試みています。このよ うに嗅覚に取り組んでいる作家は今のところ、アートの世界においてはほとんど存在しません。今回のセミナーでは実際に私が抽出した「オランダの秋の落ち葉 の匂い」など、数々の匂いを鼻で鑑賞していただきます。
(専門領域:メディア・アート、Kichen Table Perfumer)

●略 歴●
1997年 慶応義塾大学環境情報学部卒業、1999年 同大学院修士課程政策メディア研究科修了。藤幡正樹教授のもとでメディア・アートを学んだ。2000年 文化庁在外研修員(オランダ)。ストリーミング映像などの技術を用いて、異文化間のコミュニケーションとグローバル意識をテーマとした大掛かりなパブリッ クアート作品を発表した(Hole in the Earth, 2003)。2005年頃から本格的に匂いに取り組み始める。2007年 ポーラ美術振興財団在外研修員(オランダ・ベルギー)。2007年 グラース・インスティテュート・オブ・パフューマリーにてパフューマリー基礎コース修了(フランス)。2007年より、アート & サイエンスの実験的研究所 FoAMにてアーティスト・イン・レジデンス(ベルギー)。現在は、オランダを拠点に、ヨーロッパ各地で展示活動をしている。


●先生のお仕事●
においや嗅覚をツールにメディア・アートを創香するイメージ写真
 “におい・メディア・アーティスト”上田麻希さん

 2008 年4月、イギリス・スンダーランド大学ギャラリーで開催された「においの展覧会」で“もしもこんなにおいがあったら”のテーマのもとに調香師、化学者、フ レーバリストなどスペシャリストが、「嗅いだことのない、いつかどこかに実在したはずの未知のにおい」を創香し、展示しました。
 例えば、絶滅した花の香り、太陽の地表のガスのにおい、タイタニックから発見された香水の匂い、広島に落とされた原爆のにおい、など14種でした。
 中でも上田麻希さんのテーマは「旧東独国家警察が集めた人民の体臭コレクション」でした。そこで、上田さんは、体臭とは食べ物のにおいそのものではない か、との考えから、あらゆる食材のにおいを抽出、それをもとに体臭の再現に成功しました。そして展示会の企画プロデューサー R.ブラクソン氏からKichen Table Perfumer(台所調香師)と称賛されました。

 この展示会の狙いは、「においをある事象の疑似体験のためのメディウム(手段)」ツールとして創香したことです。においを絵筆、絵具にみたてキャンバス に大胆な絵を描いたことです。においを展示の手段として昇華させた画期的な試みであり、それが多くの人たちに受け入れられたことで、においの世界に新領域 を切り開いたパイオニアとして国際的注目を集めています。
(写真:展示場テキストの前でにおいを嗅ぐ)
AROMA RESEARCH No.35「カレントトピックス参照」)
※2008年6月22日には、東京芸術大学キャンパスにて、「メディウムとしての匂い─匂いとアート」をレクチャーしました。

Edible Perfume Workshop | photo (17)


foAM Open Kitchen
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ターメリック&ジンジャーのカップル。

Edible Perfume Workshop | photo (16)


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幸せなフレーバー・カップル達。

Edible Perfume Workshop | photo (15)


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Edible Perfume Workshop | photo (14)


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舌、鼻、両方使って、また匂い紙を使って、様々な方法でエバリュエーション。

Edible Perfume Workshop | photo (13)


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調合したオイルのテースティング。グループでそれぞれの意見や感想を共有することもワークショップの大事な部分。

Edible Perfume Workshop | photo (12)


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調合作業はそのプロセスを記録しながら。

Edible Perfume Workshop | photo (11)


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ふたつのフレーバー・オイルをバランス良く調合する「フレーバー・カップリング」作業。

Edible Perfume Workshop | photo (10)


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ボトリング中。

Edible Perfume Workshop | photo (9)


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フィルター作業。

Edible Perfume Workshop | photo (8)


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抽出プロセスについて説明しているところ。

Edible Perfume Workshop | photo (7)


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bain marie を使って、匂いを抽出。

Edible Perfume Workshop | photo (6)


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細かくした材料を瓶に入れ、オイルを注ぐ。

Edible Perfume Workshop | photo (5)


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参加者10人、3時間に及ぶワークショップ。

Edible Perfume Workshop | photo (4)


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それぞれが持ち寄ったそれぞれの食材を、できるかぎり細かくする台所作業。

Edible Perfume Workshop | photo (3)


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セージをみじんぎりに

Edible Perfume Workshop | photo (2)


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いちじくを細かく切っている最中

Edible Perfume Workshop | photo (1)


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いちじく 抽出前 

2008/11/24

Open Sauces (FoAM晩餐会)

2008年11月22日(土)、ブリュッセルのFoAMにて、Open Sauces 晩餐会がめでたく催されました。テーマは open source と open sauces、味覚と嗅覚、食の流通や食料問題、食の未来などなど。(なんじゃこりゃ、ってかんじでしょう。)


風邪は良くなってませんでしたが、薬を飲んでじぶんに大丈夫と言い聞かせ(ほんとうはぜんぜん大丈夫じゃないのだけど)、息子を友人に預け、なんとかブリュセルまでカラダをひきずって行きました。


ウェルカム・コクテイルの時間。



席に着きます。私はこのテーブルに配置されたホスト役でもあります。本調子じゃないし大丈夫かなあ〜 と心配しましたが、自分への言い聞かせが利いて(?)アドレナリンでもでてきたのか、普通にパーティモードに。

ここから始まるのは12コースのディッシュ。12コースですよ! いままで多くて5コースまではいったことはあるが・・・。2コースごとにドリンクも変わります。ウェルカム・ドリンク、グラッパ、白ワイン2種、赤ワイン2種、シェリー、カルバドス・・・。

メニュー
http://lib.fo.am/open_sauces_menu


これが確かもう3コース目。なんとも目に美しいサラダ。パルメザンと蜂蜜(右端)の組み合わせも素晴らしかった。



カリフラワー&カリフラワー&カリフラワー。なにもここまでしなくても・・・というくらいいろんな形でプロセスされたカリフラワー。フェネグリーク風味。カカオとの組み合わせも絶妙。



藻の寒天を床として発芽したスプラウト。黒胡麻せんべいとクレソン・ゼリー添え。ぜんぶ食べ物です。(ねんのため)



すくうとこんな感じ・・・。無味。でもおもしろい触感。日本人の私はどうしてもこういうのをワサビ醤油でいただきたくなる(笑)でもそこに敢えて黒ごませんべいとクレソン・ゼリーを添えたシェフの心意気もわかる(黒ごませんべいは醤油風味だし、クレソンはワサビの風味を持つ)。

よーく味わうと、藻の寒天にほのかに「旨味」を感じる。12コースの中でもかなり印象に残るディッシュ。

そうそう、もうひとつの変わりディッシュに私の「グリーンピーズ&ミント・スープの香水」がある。



このミストとともに、普通の液状のスープと寒天状に固めたスープも供されました。つまり気体・液体・固体の3つの状態のスープを味わってもらうという、味覚・嗅覚実験的なコースです。

このコースの乾杯担当は私。乾杯の話として述べたことを和訳すると・・・

蓋を空けたままスー プを煮続けたらどうなるか?”

味の70パーセントは匂いだといいます。残り30パーセントは塩味・甘味・酸味・苦味・旨味や触感です。匂いは食べるときに鼻の穴から入ってきますが、噛んでるときに喉の奥から鼻の裏に昇って来ます。試しに口を開けたまま噛んでみてください。あまり味がしないでしょう。

さて、この香水瓶に入っている透明な液体は、蒸留されたスープです。蒸留器を使っ てスープを蒸留しました。匂いがぎゅっと詰まってます。スープを煮たとき蓋に滴る透明な液体を集めた、ともいいかえることができます。匂い紙にスプレーして匂いを嗅ぐか、直接口にスプレーしてください。蓋を空けたままスー プを煮続けたら、スープのいいにおいを室内にまき散らすだけで、味はスープに残らないのでご注意を。乾杯!

このような乾杯の話が各コースディッシュに関連づけられてメニューが組まれています。


チコリのコーヒー煮。チコリは白い野菜とされているため、日光に当たって緑にならないないように細心の注意が払われるこの野菜が、なんとまあこんなにも真っ黒に・・・(笑)



これはもういくつめのコースだったか・・・このあたりになると、だんだんお腹がいっぱいになり、味わうどころではなくなる。

座って食べ続けなければいけないもの一種の拷問のようなものだなあ、と思いめぐらす。そういえばフランスの貴族は昔、お腹がいっぱいになったら迷わず指を口に突っ込んで胃の中のものを吐いたとか。こうして胃を空っぽにし直して、1日中食べ続けたという。貴族にちょっと同情する。


一口味見して、ほとんどを食べ残した皿が何皿続いたことか。同テーブルのアメリカ人はさすが鍛えられていると見て、完食の連続・・・。



ようやく辿り着いたデザート。なぜか素直に嬉しかった。カルバドスでめでたく締め。

やはりモレキュラー・ガストロノミーをベースにしているだけあって、全体的にフランス料理系のコース。しかも12コースとは、ちょっと私の胃には重たく、「あ〜 一杯の蕎麦もいいもんだなあ〜」としみじみ思ったものでした。

イベントとしては大成功だったと思います。どれも美味しかったし、雰囲気も良かったですもの。少し手厳しく批評するとしたら、アートとしてのステートメントなど、メタのレベルに欠ける。西洋式のフォーマルなプロトコルに沿うことに丁寧すぎて、普通のレストランみたいでつまらない。もっと驚かせてもらえることと期待していたのだが。たとえば日本の鍋のようにテーブルの上で必然的にコミュニケーションが起こるような料理などの、ゲーム的要素の入ったディッシュがあっても良かったかと・・・。まあでも、どんなにエスニックなレストランでも普通にフォークとナイフが出て来て、コース形式のメニューが出て来るのがヨーロッパだから、ヨーロッパにおいてこの「型」を外すのはそんなに容易なことではないのかもしれない。

何よりも、数年かけてこれを企画し、細部まで丁寧にデザインし、料理しきったfoamに拍手!

グリーンピーズ&ミント・スープの香水の制作(2)

前日に引き続き、グリーンピーズ&ミント・スープの香水の制作。11/22(土)FoAM晩餐会で発表するコース・ディッシュのひとつです。

本日は、ミントのみを蒸留。









精油成分を多く含むミントなので、当然と言えば当然ですが、精油が冷却器に流れ込んできます。



表面に浮かぶのが精油。こんなに精油が少ないと、分離器で蒸留水と精油に分離するのは無理に思えたので(もし誰かいい方法を知っている方がいらしたら、ぜひ教えてください)エタノールを加えて拡散しました。濃度的にはこちらの方がちょうどいい。



前日のグリーンピーズ蒸留水45mlと、こちらのミント蒸留水30mlを調合して、「グリーンピーズ&ミント・スープの香水」を仕上げました。

実をいうとここのところ風邪で蓄膿っぽくて鼻が利かず、この調合作業を先延ばししてたのですが、時間切れ。鼻が利かないままカンだけで調合せねばならず。頼るものがないというのは辛い。(多少は匂いを感じることはできるんですけどね、いつもの感覚ではないんです・・・)

このあと息子とスペキュラース(オランダの聖ニコラス祭のお菓子で、香辛料をふんだんに使ったクッキー)を作ったのですが、食べても味がわからない。これはかなり重症でしょう。ちょっと不安になる晩餐会前日でした。

2008/11/20

グリーンピーズ&ミント・スープの香水の制作 (1)

11/22(土)FoAM晩餐会で発表するコース・ディッシュのひとつです。

材料


  • 冷凍グリーンピース(ECO)
  • 玉葱(ECO)
  • ニンニク(ECO)
  • ココナッツ・オイル
  • ベジタブル・ストック(自家製)
ミントはまた別に抽出し、最後に調合する予定。

















蒸留水の10%エタノールを混入。

Open Sauces美食晩餐会 概要

今週の土曜日 11/22 、「食の未来」についてのシンポジウムつきフード・アート系晩餐会とでもいうべき Open Sauces がブリュッセルのFoAMで開催されます。

http://fo.am/open_sauces

私はそのホストのひとりとして、濁った味噌汁をかき混ぜるように、会話を盛り立てる役です。(・・・そんなことがこの私に英語でできるのかどうか、イマイチ不安ですが・・・)モレキュラー・ガストロノミーを基にした調理法がふんだんに応用されている贅沢なコース・ディッシュをいただきながらのディスカッション・ディナーです。

コースのひとつに「グリーンピースとミントのスープ」があります。スープを蒸留してフレーバーを抽出した「スープの香水」を披露する予定です。そうです。匂いだけのスープです。各テーブルに配られる香水を各自シュッっと舌にひとふきして「味わって」いただきます。匂いだけで終わりというはちょっと意地悪なので、本物のスープもその後供されます。味と匂いの境目を体験してもらう試みです。

晩餐会は残念ながらキャンセル待ちだそうですが、ここにそのレポートを掲載することを約束しますので、お楽しみに!

2008/11/17

近況

しばらくあらゆる締め切り・イベント・来客などなどに謀殺され、いや忙殺され、引っ込んでおりました。まだまだあと1週間ほどそんな感じですが・・・

一昨日 11/15 は、イギリスの著名なフレーバリスト/科学者とディナー。(「宇宙の匂い」を制作中のパフュマー、といえばこのブログ読者のあなたならもうおわかりでしょう。)いろいろ刺激になる話しをいただきました。ウニを口にしては「うーん、ジェラニウムとローズだ」とおっしゃる、ほんとうに面白い方です。詳しくはまた今度。

昨日 11/16 は「エディブル・パーフューム・ワークショップ」をブリュッセルFoAMにて開催しました。参加者の方々にはいろんなことに開眼する良い機会となったようで、私も楽しく気持ちよく疲れた一日でありました。その模様もまた改めてこちらに掲載します。

明日11/18 はアムステルダム・リートフェルト美術アカデミーでの講師、土曜日 11/22 はブリュッセルFoAMの晩餐会でのプレゼンテーション。晩餐会で発表する「蒸留スープ」の制作も今週の課題です。

2008/11/04

Edible Perfume (workshop)

Dear Friends

As a part of "Open Kitchen", a series of events about food, food systems and food culture, I'll give a workshop on extracting scents "Edible Perfume" on Sunday, November 16th in Brussels. If you are interested please reserve as soon as possible (there are only 10 places).

For more information about this workshop and other events of the series "Open Sauces", please read below. Forwarding this email is welcome.

Cheers!
Maki Ueda


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FoAM and the Guild for Reality Integrators and Generators would like to invite you to Open Kitchen, a series of events about food, food systems and food culture. FoAM's cooks will prepare a wide spread of activities, hoping to nourish a variety of tastes and appetites. We will open the doors of our kitchen to demystify some of the substances and processes that make up our contemporary diet. We hope you will join us at our table, there will be plenty of food and no shortage of food for thought...

All events will take place at:
FoAM, Koolmijnenkaai 30-34 Quai des Charbonnages, B-1080 Brussels, Belgium
Maps: http://fo.am/contact/
Please reserve your place by the 10th of November for all events.RSVP: bxl@fo.am


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Public Diet: Recipes for Disaster
Thursday 13th November 2008, 19:00 - 22:00
Kate Rich and FoAM invite artists, cultural organisations and members of the assorted cultural proletariat to a potluck dinner and round table conversation on nutrition, catering and survival in the art world andthe cultural sphere.More: http://fo.am/public_diet


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Food Pairing and Molecular Gastronomy
Friday 14th November 2008, 19:00 - 21:00
Bernard Lahousse, an internationally renowned food scientist, consultant to creative chefs worldwide (such as those from L'air du temps, OudSluis, In de wulf, or Kasteel Withof) will prepare a nutritious lectureand degustation of food pairing, molecular gastronomy and new kitchentechiques.
More: http://fo.am/food_pairing


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Semiotics of the Kitchen Radio
Saturday 15th November 2008, 15:00 - 18:00
With Martha Rosler’s classic performative alphabet 'Semiotics of the Kitchen' as a point of departure, Constants' design collective Open Source Publishing (OSP) presents a live radio broadcast from the FoAMkitchen.
More: http://fo.am/kitchen_radio


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Edible Perfume
Sunday 16th November 2008, 14:00 - 17:00
Maki Ueda, an artist who chooses scent as her medium, will conduct a hands-on workshop on extracting and composing aromas & flavours, inspired by the concept of flavour pairing.
More: http://fo.am/edible_perfume


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Feral Trade Tea Party & Raffle
Sunday 16th November 2008, 17:00 - 19:00
Kate Rich, an artist, trader and grocery geek will serve specially delivered tea and coffee, introduce Feral Trade (http://feraltrade.org)and talk about her 'slow shopping' quests in Bangladesh, Montenegro,Iran and other diverse destinations. The event will end with a hamperraffle including a variety of Feral Trade goods.
More: http://fo.am/feral_tea


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Open Sauces
Saturday 22nd November 2008, 18:00 - 23:00
Open Kitchen will be concluded with a synaesthetic dinner, to jointly sample, celebrate and debate the future of food. With: AlexandraDeschamps-Sonsino, Sher Doruff, Kultivator, Maja Kuzmanovic, Alok Nandi,Sneha Solanki, Wietske Maas, Matteo Pasquinelli, Kate Rich, FemkeSnelting, Andreas Strauss, Maki Ueda, Stevie Wishart, Allison Zinder andother trans-local food experts and enthusiasts.
More: http://fo.am/open_sauces


Open Kitchen is a part of Week van de Smaak(http://www.weekvandesmaak.be/). Open Kitchen is supported by the Flemish Authorities and the Culture2000 Framework of the European Commission (gRig).


--FoAM updates. [un]subscribe options and archive can be found at http://fo.am/cgi-bin/mailman/listinfo/update

2008/10/24

飲むパフューム、(人体)実験

ブリュッセルのFoAMにて11月16日、ワークショップをやります。テーマは「エディブル・パフューム」=飲む・食べるパフューム です。そのための実験をここにご紹介・・・

フレーバー・カップリング という言葉をご存知ですか? 簡単にいうと、「味の相性の良い素材の組み合わせ」です。モレキュラー・ガストロノミーの世界で流行っているコンセプトで、味の組成に共通項の見つかる素材同士を組み合わせて使うと良いのだそうです。例えばワサビとチョコレートの組み合わせって意外に美味しいのですが、これにはやはり味覚分子に共通項があるという裏付けあるのだそうです。

フレーバーをカップリングする作業が調香の作業に似ているので、「エディブル・パフューム」なのです。さてさて、実験に、どんな素材使おうかなあ・・・

なんとなく思いついた リンゴ&四川山椒 の組み合わせを試してみましたが、四川山椒のパンチが強すぎて失敗しました。やっぱりここはカンに頼らず、科学の力に頼るとしよう(笑)。

確か調香師講習を受けた時に、ローズとラベンダーに共通項があると習った記憶があるので、手元にあった調香のバイブル「香料と調香の基礎知識」を引いてみました。


ラベンダー・オイル主要成分
  • Linalool (10 - 20 %)
  • Linalyl acetate (30 - 60%)
  • Camphor
  • テルペン
  • セスキテルペン類多数
  • 1,8-Cineol
  • Lavanduol
  • Lavandulyl Acetate


ローズ(ダマスク)主要成分

  • Citronellol (45 - 50% )
  • Geraniol
  • Nerol
  • Linalool (20 - 25%)
  • Phenyl ethyl alcohol (1 - 2 %)
  • Nonyl alcohol
  • eugenol


ラベンダーとローズ双方に含まれる共通項はLinalool。おたがい20%と、高め。「彼」と「彼女」、いけるかも。さて、これから相性診断といきましょう。



まずは匂い抽出作業。

「彼」すなわちラベンダー。


「彼女」すなわちローズ。








次に調香作業。まずはそれぞれ 1 ml ずつ合わせました。つまりフィフティー・フィフティー。


で、味見。
・・・決してマズいわけではないけど、果糖を加えないと苦みがあって飲みにくい。
そしてちょっと「彼女」の方が強すぎかな? でもそのためか、なんだかほんとに「香水を飲んでる」って感じがします。ほんの少ししか口に含まなかったのに、まだ喉のあたりからふんわりと匂ってくる感じ。味と香りの相乗効果が体験できたのはおもしろい。

以上、人体実験が無事終了いたしましたので、めでたくここに報告いたします(笑)

香り"X"の分解と再構築 / DECONSTRUCTING AND CONSTRUCTING THE SMELL "X"

香り"X"の分解と再構築  DECONSTRUCTING AND CONSTRUCTING THE SMELL  "X" いくつかの香りをバランスよく組み合わせることを「調香」といいますが、この空間で何をやっているかというと、「...