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9月22日 初演

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毎晩遅くまで詰めても、ふだんの生活週間から、どうしても朝早く起きてしまう。
午前中はゆっくり休んで疲れを取り、少し街を散歩して、劇場に向かいました。
昼食後、皆で黙々と300kg分の紙吹雪を片付けました。

乳液に加える香料として、モス・パフュームを試作。
パフュームというより、モス・アコードを作るといったていどですが。
(ここでフランスの調香師学校で習ったことが役立つとは思ってもみませんでした。)
パレットは、アイスランド・モス、オーク・モス、杉苔、白檀。
少しずつ加えながら、匂いの色相の変化を見ます。

モス・アコード:
alcohol 5.00mloak moss 0.25mliceland moss 0.75ml(自製エキストラクト)杉苔 0.50ml(自製エキストラクト)白檀 1滴


そして、本番用の乳液の制作。
リハーサルで使われた乳液にもうすこしテキスチャーが欲しい、
との要望がパフォーマーからあったので、
本番用にはジェル化剤を大目に入れてみました。



乳液 4 (本番用)
Iceland Moss 煮出し汁 200mlアーモンド油(精製) 45ml 乳化剤Tegomuls 小さじ3ジェル化剤(キサンタンガム)2包
香料
Iceland Moss 5ml(自製エキストラクト)Oak Moss 2.5ml杉苔 4ml(自製エキストラクト)白檀オイル 8滴檜オイル 3滴
オーク・モスは、注文したのが前日に届いたばかり。
これは現代のフランス系の香水にはよく使われる素材のひとつで、
他の匂いを長持ちさせたり引き立たせたりする役割がありつつ、
今回の主題が「モス」なので、その主役としても活躍できるはず。
(実はアイスランド・モスと同様、シダ類なのですけどね。)
隠し味として選んだのは、白檀と檜でした。
白檀は暖かくウッディなので、モスとは相性が良いはず。
檜は立ち上がりがカンファー、時間が経つとウッディなので、
トップ/ミドル/ベースと活躍し続けてくれるはず。
唯一のトップノートとなるので、前面に出過ぎないように、ほんのわずかのみ。
やはり隠し味があった方が、主役のモスが引き立つようです。
料理と同じですね。
人間の嗅覚には、それだけの深みに付き合う力があるということでしょうか。



いよいよ始まった。4時間のパフォーマンス。
空間内にはお客さんは自由に出入りしてよいことになっていますが、
最上階にあるため、例…

9月21日 初演1日前

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午前中は買い出し。
ゲントへは何度も来ているのに、その都度パフォーマンスを観るなどの目的を果たすだけだったので、街を
歩くのは初めてでした。
景観が乱れているところも若干ありますが、散歩が楽しい中世の素敵な街です。

昼食後、パフォーマンス・スペースに行くと、前日のガムテープの匂いが消えてはいるものの、
苔が微かにカビ臭い匂いを発し始めているのに気づきました。
喉を刺すようなこの匂いこそが、わたしの悩みの種である山苔エキストラクトのトップ・ノート。
なのですぐ気づいたのかもしれません。
この匂いがしている限り、お客さんはこの空間を「気持ちいい」とは思えないかもしれない。
そう考え、とりあえずしばらくは水撒きを控えめにしてもらうようにお願いしました。

Soxhlet 蒸留器を設置しました。



昨日の試作で、匂いつきの蒸留水を使うとそれだけで乳液がけっこう匂うことがわかったので、Iceland Moss を水でSoxhlet抽出しようと試みます。
(この濃い抽出液を乳液に使えれば、香料を入れずに済むかもしれない。
香料を入れると、微量ではあるけど必然的にアルコールが乳液に混ざることになるので、
4時間これを使い続けるパフォーマーの手がガサガサになる心配もあるため。)
ところが、火力が弱くうまくいきません。
かといってこれ以上火力を強めるとすると、油を使わざるを得ず、フライドポテト屋さんのような匂いが空間に充満してしまう・・・。
やはり普通に煮出し液を使うことにします。



煮出し液:
蒸留水 1000mlIceland Moss 25g約1時間煮る。



(苔の中に小さなストーリーを散りばめている最中。パフォーマーのユキコさん)



(舞台設計を担当しているさおりちゃん達は、紙吹雪のようなコンフェティで床を埋め始めた。)






(苔の合間から顔を出しているのはハイネ。体をかがめないとこのボックスに入れないところは、お茶室の入口を想起させる。)


(ノルウェーから船に乗ってやってきた音楽家のふたり。私生活をそのまま表すように、息がピッタリ合っている・・・。彼らの音を聞きながら作業するのは至福のひとときだった。)






夜はパフォーマンスのリハーサルが予定されていたので、そのための乳液を作りました。
実際に乳液を使用するパフォーマーとテキスチャーについて相談し、乳液2 のレシピをベースにすることにしました。
(乳液を使った後にいつまでも手にネトネト残…

9月20日 初演2日前

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2007.09.20.

昼ごろ、ゲント Vooruit 入り。




(Vooruitはゲントの劇場・音楽堂で、ご覧のとおり古く豪華な建物です。カフェも天井が高く、ディスコも昔ながらの素敵なボール・ホール。ゲントの若者は羨ましい。こんなところで仕事できるのも、光栄です。)

魔女の実験室の出張版として奇跡的にスーツケースに収まった実験器具。
今回のパフォーマンスでは、それらは舞台装置の一部でもあるのです。
(ふつうはそんなもの車で運搬するところでしょうが、我が家の車はかなり大きなバンで、なんと魔女はそのクラッチに足が届かぬため、必然的に電車となります。電車が好きなので、それもいいのです。)

依頼主のハイネはノルウェー人のコレオグラファー(演出家/振付家)。
彼の作品 drop a line はこれまでも上演されてきたものですが、今回は規模を大きくし、いろんなレイヤーでの体験を観客にオファーできるように相当な工夫を凝らしたものです。
いってみれば手・足・目・耳・舌・鼻の体全体で体験する、全感覚的な作品。

パフォーマンスの空間は、フロリストのさおりちゃん主導で森から集めてきた苔で埋められていて、それだけで気持ちのいい空間でした。
この日は貼りたてのガムテープの匂いで充満してましたが、それもじき消えるでしょう。



ハイネ達が既に10mほどのホースを2本設置していてくれたので、それらの水回り系がきちんと作動するか、まずは確認。

その後、乳液作りのための実験器具を設置。



乳液 1 try-out

これまで試作してきたものと基本的には同じレシピ。
香料の配合値と効果を確認するための try-out。

乳化剤Tegomuls 8gアーモンド油(精製)34ml蒸留水 120ml
できあがり約150ml

香料(それぞれ10gに対し)

[version 1]
Iceland Mossエキストラクト(自製) 10滴杉苔エキストラクト(自製) 5滴[version 2]
Iceland Mossエキストラクト(自製) 3滴杉苔エキストラクト(自製) 2滴山苔エキストラクト(自製) 1滴
* 使用したスポイトでは、1ml = 約38滴

結果
version 2 に使用した山苔エキストラクトには非常にsharpなトップ・ノートがあり、それが少しきつい。
自然な山苔ではそれも森の湿った匂いとして余興となるのですが、
濃縮されているとそればかり…

パフォーマンスのお知らせ

これまであれこれ苔の実験していたのも全てはこのため。

Vooruit 25周年フェスティバル
日時:2007年9月22日(土)
場所:ベルギー・ゲントVooruit
"Heine R. Avdal" のグループに参加します。

作品 drop a line は、「パフォーマンス」と「空間インスタレーション」から成り立ち、
4時間の開演時間内はいつでも空間インスタレーションを訪れることができます。

パフォーマンスはその中に特別に作られた小さな空間内で行なわれ、
触覚的なインタラクションがひとつのテーマとなっています。

あまり詳しく種明かしできませんが、
怪しげな魔女は「嗅覚」担当であるのは申すまでもありません。

昨日成功したアイスランド・モスのエキストラクトは、
ムエット(匂い紙)でまだ匂い続けています。
もうすぐ24時間経つのに・・・
まさに香水にも使える質のエキストラクト・・・。商売始めようかな(^^)

苔の匂いの抽出実験(10) 成功!

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昨日に引き続き、アイスランド・モスの抽出です。
今日が3日目。

starting 11:00
stopping 14:00







今日は優しい旦那様が、ポンプを買って来てくれました。
これで冷却水をドブに捨てること無く、リサイクルすることができます。
(私に優しいというか、環境に優しいというか・・・)

抽出を繰り返し、あらゆる精油を洗い流した後、
最後はアルコール(エタノール)のみを飛ばして濃縮します。
フラスコの下の方に溜まった、ドス黒い液体。
これこそが、精油の濃縮された液体なのです。





匂いの質、その強さ、ともに問題なし。
つまり、抽出成功・・・!
匂いの特徴については、エキストラクトが落ち着く明日まで待つしかないが。

ここまで強い濃度で抽出するのは、実は初めての挑戦だったのです。
いわゆる香水の質のエキストラクトを作ることができました。
3日間辛抱強く抽出し続けた甲斐があった。

[memo]
使用エタノール量、合計: 325ml (?)
使用アイスランド・モス、合計: 50g (?)
抽出した精油: 25ml
残り物: 150ml





実験機器を回している間に何をしているかというと、
もちろんプロセスを観察するのは欠かせませんが、
わりと原材料となるアイスランド・モスの処理に追われています。
洗って、ゴミを取り除き、乾かし、砕く・・・ 香水工場の作業員になった気分。



これはまた違うタイプのアイスランド・モスです。
ドイツのハーブ系薬局から取り寄せました。



やはり薬局から取り寄せたせいか、どことなくハーブの匂いがします。
ディフュージョンの実験をしたのですが・・・あまり効果がありません。
でもフラワーショップ系のアイスランド・モスは、かなりうまくいきました。

今日は、これまで長く抱いていた目標へ辿り着くことができた。
濃縮抽出の成功に乾杯。

苔の匂いの抽出実験(9) アイスランド・モス本番

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2007/09/15 MEMO

2007/08/26 に作った山苔チンキの中身を新しくする。


アイスランド・モスのチンキを作る。 つまり、99.8% アルコール漬け。


2007/09/16 MEMO

アイスランド・モスの抽出、本番。
Soxhlet 150ml
エタノール 96%





抽出液を絞り出すのに、すりこぎを使ってます。
抽出物を取り出すのには、さいばし。やっぱりこの辺は、日本人・・・


Start: 11:00
Stop: 23:00

この間に、前日届いたばかりのアイスランド・モスについてきた溶剤(グリセリン?)を洗います。
抽出に使ってる冷却水が、ここでいい具合にリサイクルできる。
しかしフラワー・バスならぬ、アイスランド・モス・バス。
冷静に見るとなんか可笑しい。
この後、ゴミを取り除いて、(これがまた忍耐の要する作業・・・)
乾かして、(急いでるときはオーブンでローストして)
フードプロセッサーで砕いて、
最終的に抽出にかけられます。
我が家はさながら半世紀前のグラースの香水工場と化している。









2007/09/17 MEMO

前日の抽出の続き。
starting 9:00
stopping 13:00
starting 17:00
stopping 23:00 (予定)

中身の入れ変え、今のところ4回。
それぞれ乾燥したアイスランド・モス10g。
これまでに使ったエタノールはトータルで350mlほど。

魔女の実験室は、子供の遊び場にも成り果てました。







今日は懇意にしているサプライヤーを訪ね、フラスコとアルコールを仕入れました。
これまで加熱の問題があったのですが、これでとりあえず解決。
どうやって解決したというと、小さめのフラスコを使うことにして、
これまで使っていたカゴ式のヒーターのかわりに、電気コンロと鍋を使うことにしたのです。

我が家の台所と風呂場、バルコニーは、すっかり魔女にのっとられてしまいました。